\((\Omega, \mathcal{F}, P)\) を確率空間とする。 \(X\) を(\(\mathcal{F}\)-可測な)確率変数、\(\mathcal{G}\) を \((\Omega, \mathcal{F})\) の部分σ-代数とするとき、次を満たす確率変数 \(Y\) を \(\mathcal{G}\) に関する \(X\) の条件付き期待値と呼び、\(E[X\mid \mathcal{G}]\) と表す。
- \(Y\) は \(\mathcal{G}\)-可測
- \(\int_A Y dP = \int_A X dP\) for all \(A \in \mathcal{G}\)
このような \(Y\) はa.s.で一意である。
存在と一意性#
このようなr.v.の存在と一意性は次のようにして保証される。
存在#
\(\mu_X: \mathcal{G} \to \mathbb{R}\) を次のように定義する。
$$ \mu_X(A) = \int_A X dP $$すると、\(\mu_X\) は (1) \(\mathcal{G}\) 上の符号付き測度であり、(2) \(P\|_{\mathcal{G}}\) に絶対連続である。 ただし \(P|_{\mathcal{G}}\) は確率測度 \(P\) を \(\mathcal{G}\) に制限した確率測度である。
すると、ラドン-ニコディムの定理が適用でき、ラドン-ニコディム微分
$$ \frac{d\mu_X}{d (P|_{\mathcal{G}})} $$を\(Y\)と置くと、以下のように条件1、2が満たされる。
- この定理より条件1は自動的に満たされる
- この定理より \(\int_A Y d (P\|_{\mathcal{G}}) = \mu_X(A) = \int_A X dP\) を満たすので、条件2が示される
一意性#
測度論の一般論として、2つの \(\mathcal{G}\)-可測なr.v. \(Y\) と \(Y'\) がa.s.で等しいことと次は同値である。
$$ \int_A Y dP = \int_A Y' dP \text{ for all } A \in \mathcal{G} $$すると条件1,2より一意性がわかる。
注#
- 一意性がa.s.でしか言えないので、条件付き期待値はa.s.でしか定義されず、確率0の事象上での差は無視する
- \(\int_A X dP\) は \(E[X, A]\) とも表す。これは良く使う記号である